28才の初恋
「い、いいのよ。それよりも……スーツ汚しちゃったわね。クリーニング代出すから」

 動揺を隠しつつ、クリーニング代を出すことで鼻血を噴出させた罪を償ってみようと試みる。
 まあ、そんなことでは償うことにはならないだろうけど……このお詫びは身体でっ!……と、口には出せないので。
 今回のところはクリーニング代を出すことで許してもらおうと思う。

「い、いや。いいですよ」

 大樹クンがやんわりと断ってくる。
 
……が、それでは私の気が済まない。

「よ、汚したのは私なんだからねっ! クリーニング代くらい出させなさいよっ!!」

――なぜ、私はツンデレに生まれてしまったのだろうか?
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