28才の初恋
 再度噴出した鼻血を、もったいないと思いつつ大樹クンのティッシュで塞ぐ。
 これで二枚も使ってしまった。コレクションが減っていく……。

 私がティッシュを詰め終わるのを見届けると同時に、大樹クンが先ほどの話の続きを口にする。

 また鼻血が出るのを我慢しながら……我慢せねば……と思ったのだが。
 大樹クンの言葉の攻撃力は凄まじかった。

「クリーニング代の替わりに、今度メシをおごってくださいよ。それでチャラにしませんか?」

――メシ……おごる!?

 ということは、二人きりで食事のチャンス!?
 この素敵な申し出に、私の素直な身体が……耐え切れるはずもなかった!

「ちょ!! 課長!! また鼻血が!!」
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