28才の初恋

2-4

 オフィスに到着し、私も大樹クンもロッカーに置いてあった服に着替えた。
 大事なお客様に会うときに備えてシャツなどはストックを置いてある.

 営業職で助かった……と言うべきか。

 デスクに着き、何事もなく仕事を消化する。
 無論、三十分に一回の割合で大樹クンを見つめることも欠かさない。まあ、相変わらず視線が合わないことが残念でもあり、助かっている部分ではある。

 それにしても、仕事の量が多い。大樹クンという新人が来たので、その分の仕事量の増加もあるのだが、それに関係なく仕事量が俄かに増える時というのはあるものだ。
 私のPCには次々とメールが届いて来る。

――今日は残業かもね……。

 そんな考えが頭をよぎる。
 『出来る限り定時で上がること』を標榜している会社だが……こうして仕事が溜まってしまい残業になる時だってある。仕方あるまい。
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