28才の初恋
「課長? 課長ってば!」

 ……ハッ!!声を掛けられて、我に返った。
 どうやら、美味しいシュチュエーションに思わず妄想に突入していたようである。
 現実では、デスクを挟んで目の前に大樹クンが日報のチェックを待ちわびていた。

「あ、できた?」

 大樹クンから日報を受け取り、書式に従って記入された内容に目を通す。
 書類の内容は完璧と言える……ただ、問題は。

「どう……ですか?」

 不安げに大樹クンが書類のデキを聞いてくるが、聞かれるまでも無い。良いデキだ。
 私が悩んでたのは、どうやってこの書類を私物化しようか……ということで。
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