28才の初恋
 迷っていたつもり……なのだが。
 無意識に身体が動くことってあるよね?

 私の隣には大樹クンが座っていて、私の背後では磯野がナゼか気を失って寝転んでいる。
 きっと……きっと磯野は早くも酔い潰れたんだよね?
 私の左手に握られてるビール瓶が理由ではない……はずだ!!

「で、池田クンは何が好きなのかな?」

 何事もなかった、そう自分に言い聞かせながら、止まっていた会話を無理にでも動かす。
 大樹クンが伏し目がちになっているのは……きっと照れているからさっ!

「そ、そうですね……肉ジャガ……です」

 そうなんだー、私の好物は大樹クンさっ!!肉ジャガも美味しいよねっ!
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