28才の初恋

2-7

 妻帯者どもがさっさと退散し。
 独身の狼たちも殆どが座敷にひれ伏した頃……歓迎会はお開きになった。

 いつの間にか戻ってきていた幹事の小島に会費を渡し、一足先に店の前で待つ。

「課長……大丈夫ですか?」

 店の看板にもたれかかっていると……失神からいつの間にか回復してきた磯野が聞いてきた。
 日本酒を一升瓶で飲ませた為か、まだ顔は真っ赤である。どちらかと言えば磯野の方が大丈夫には見えない。

「大丈夫よぉー……」

 まだお酒でボンヤリとする頭で、心配そうな顔を見せる磯野に答えてみせる。
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