28才の初恋
「あっ!!」

 ヤバイ!コケる!!
 と、思ったのだが……時すでに遅し。
 私の視界では地面が着々と近付いてきていた。やたらとスローモーションに見える世界。ゆっくりと自分の身体が傾いていく。

……コケたら、パンストが破れちゃうな。
……痛いだろうな、青タンが出来るかな?
……みんなの目の前で恥ずかしいな。

 幾つかの思考が頭の中を巡り。私は目を強く瞑った。うう、結局最後には痛い思いをするんだから――早く済ませて欲しいものだ。
 そう思っているのだが、なかなか身体に痛みが走らない。
 酔っているから、身体の感覚が麻痺してるのかな?そう思いながら目を開けると――。
 
……大樹クンが私の身体を支えていた!!
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