あの丘の上で【下】


「ねぇ、高瀬さん、初めてってことは、真っ先に僕の所に来てくれたの?」


「そうだよ?」


そう答えた時の、藤井くんの顔は、絶対に忘れないだろう。


「ありがとう。
…もう何か、言葉にならないよ。
高瀬さん、大好きだ。」


その藤井くんがあまりにもかっこよくて、言葉が出なくて。


でも、伝えたくて、握りしめた手から気持ちが伝わるように、ぎゅっと左手に力を込めた。

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