あの丘の上で【下】


「拓馬、もういいでしょ?
そろそろ雪ちゃん返してよ…。
私たち何時間、待ってたと思ってるのよ!」


門の内側には、みんながいた。


会いたかったみんながいた。


今のやり取りを皆に見られていたと思ったら、顔から火が出そうで。


一歩後ろに引いた足を、繋いだ左手は許さなくて。

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