壁ドン……しちゃいました!?
「なにしかめっ面してんの?」
「しっ、してないよ……」
そう言いながらも、わたししてたかな……?自分の頬をペタペタ触った。
――あ……痛いな。
デート帰りの電車。
発車まで後数秒で、走りに走って勢いよく電車に駆け込んだわたしたち。
中は満員とは言えないけれど、席は全部埋まっている。
随分長いこと街を歩いたわたしの足は、普段ヒールに履き慣れてないこともあって、悲鳴をあげていた。
――ビィィ
ブザーが鳴って電車が動き出す。
ついにわたしの足は限界を迎えて、少しよろめいた。