君と星空の彼方
床を思いっきり蹴って、ラドスと向かい合えるぐらいの位置にまでの大ジャンプ。



小さくなるセイヤの顔の目は、ただ冷たさだけが残っていた。



「…だから、生徒会長。


俺にはやらなきゃいけないことがあるんだよ」





そう言うと、セイヤの目が燃える炎のように真っ赤になった。


…おかしい。


まただ。


また、セイヤの目が赤くなった…それは、幻獣使いにしかならないはずなのに。



「夜月、セイヤの目見てっ…!」


「お、おう…って、真っ黒じゃん、変わらねえよ?」


え…?



つい聞いてしまったけど…夜月には赤く見えないってこと?


また視点をセイヤに戻すと、セイヤはその場で目を閉じていた。




……くる。




アストレアの力が、セイヤに舞い降りるんだ。






勢い良く目を見開くセイヤの顔には、少し切なそうな笑みが浮かんでいた。




「…俺はお前らとの関係を、変えたいんだよ。

幻獣の一族も、な」




そう言った瞬間、セイヤの手に鋭い剣が現れる。




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