君と星空の彼方
「無理だ、それは。

溝を埋める⁉︎犬猿の仲をやめる⁉︎対立をやめる⁉︎

その原因を作ったのは全てお前ら、星の一族のせいだ!


俺たち幻獣の一族が…どれだけの苦労をしたと思ってるっ‼︎‼︎」





話を人づたいに聞いても…その人の苦しみは、わからない。


みんなに聞いた私たち星の一族と、日本にもう1つ存在する能力者の一族…幻獣の一族の格差。




あぁ、かわいそうだなって。


あぁ、どんなにつらいかなって。




けど、それぐらいにしか考えてなかった。




今の生徒会長の必死な表情が、全てを物語っていたんだ。




『自分たちの苦しみが、優遇されているお前らになにが分かる』



と、そう言っていた気がした。




全て幻獣が悪いわけじゃない、


少しの仕事も地位も譲らなかった私たちの一族にも問題があったんだ。





副会長さんも書記長さんも悔しそうな…悲しそうな、曖昧な表情を浮かべていた。




セイヤも、分かってよ…
いや、鋭いセイヤならそれぐらい分かってるんじゃないの?



そんな思いを込めてセイヤを見るけど…



ただセイヤはまっすぐに生徒会長を見下ろしているだけだった。






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