君と星空の彼方
そう言って、ユウの華奢な肩に抱きついた。


…マナミ先輩はユウを可愛い弟みたいな扱いをしているとは、寮生活の中でも分かったけど…

可愛い弟を愛しすぎているブラコンにしか見えない!


ふとイリヤ先輩の方を見ると、優しい笑顔を浮かべていた。


…違う、固まってる⁉︎


綺麗な笑顔を浮かべながら固まっちゃってる!



やっぱりイリヤ先輩も…



そう思うと、胸がズキンと痛くなった。

叶わない恋の苦しみが分かるんだ。



けどイリヤ先輩は私以上に苦しいんじゃないかな。



だって幼馴染だもん、ずっと関わって来たのに。




私がうつむいていると、ムルの声が上から降って来た。




「ユウ様は、理事長の許可を得てここへ。

訓練は学園でつんだそうです」



「獣剣学園のみなさま、よろしくです!

『僕』は、ユウです!」



一人称の僕、が聞こえた瞬間獣剣学園のみんなが「え⁉︎」って顔をした。

…そうだよね、そうなるよね。



私も最初は美少女としか思わなかったもん!







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