君と星空の彼方
「さあ、行きましょう」


ムルがドアに手をかける。


「いや!ストップ!
一旦ストップ!」


手を出して叫ぶ私を、呆れた顔をしたムルが冷めた目で見た。


「…理事長に会う前もその様子でしたが...

ここで躊躇しても結局無理矢理にでも入らせますし、止まる必要はないかと」


う…言い返せん。

無理矢理は酷いと思うんだけど…

悔しくなりなってムルを少し睨んでみるけど、相手にしない、とでも言いたげにそっぽを向くし効果なし。


あーもう!ムルってやっぱ大人だな〜…何歳なんだろ。

大人の対応って言うのかな?常に冷静に正しい事を言って見せるし。





ガチャ


ドアが開いた音...ってムル何も言ってくれなかったよね⁉︎

ムルを見ると相変わらずの無表情で私を見た。

けどそれも一瞬で、さっさと中へ入ってしまった。


えっとぉ…この場合私はどうすれば?

理事長室の時みたいに後ろからついて入る気が全くしないよ。

理事長先生と会うときとはなんか違った緊張感があるし。





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