君と星空の彼方
綺麗な赤の目は、徐々に力を失っていく。



……ゆっくりと閉じられていく。




愛する人を失う苦しみを…

愛する人が無情にも離れていくことを知った大神…いや、お父さんは。



こんな気持ちだったの…?




心に芽生え始めた小さな光が、いろいろ巻き込んで闇となっていく。



その闇を消すように、私は…




「うわあああああああああああ‼︎‼︎‼︎」





息もわずかになっていくセイヤを抱きかかえながら、私は叫んだ。





けど…起きてくれない。






好き、だとまだ伝えてない。

もっと話したいことがあったのに。




ただただ泣き叫ぶ。


お母さんも、大神も…

そして、セイヤまで。


なんで、なんで…!






そこへ救急の人が来るまでの数分、ただ私は泣き続けていた。





いつの間にか…


ボロボロになって、片足引きずりながら歩いてきた獣剣学園生徒会も…



ただ、呆然と私たちを見つめていた。






「…ホシノ、ダメだよ、ホシノの体が……!」



パイプの中、車のようなものに運ばれたセイヤを追いたくても


私たちは別の人たちに抑えられた。



私の体も…心も限界で


セイヤとは違う病室に連れて行かれた。







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