気づけばキミと恋に落ちて
「なぁ、はる。あれから、なんか変わったかぁ?」
「え?あれから?なんの話?」


陽ちゃんに顔を向け、首を傾げた。


「なんの、って…。オトコ関係のだよ」
「……あぁ。その話ね。なんかもうイロイロありすぎて、よくわかんなくなったよね」


ホント三十一年生きてきて、こんなにドキドキしたり、考えたりしたのは初めてに近いかもしれない。


「イロイロ?電車のオトコと、なんか進展あったってこと?」
「うーん、進展というか…。会社の同僚とカラオケに行ったら、そこの店長だったんだよねぇ…」
「マジでっ?なんか、マジでドラマみたいだな」


ホント、そうだわぁ。わたしが駅のホームでダウンしてる時に、声かけられたのも、わたしの駅で一緒に降りてくれたことも、最初からドラマのような出来事だったよね。


「で?ムコウは気付いてくれたわけ?」
「うん。覚えててくれたよ。で、まあ、イロイロありまして……」


めんどくさかったけど言わないと、しつこく聞いてくるから、あの日あったこと、そして昨日のことを話した。


「ふーん」


え、なにこの反応…。わたしスゴく頑張って長々と時間使って話したのに。


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