気づけばキミと恋に落ちて
その時間を返してほしいくらいだっ。


「はるは、そのオトコに惚れてんの?」
「え?」
「だから、スキなのかって聞いてんの」


スキ…?わたしが、拓篤のことを…?


「……わ、かんないっ。でも…。スキ…なのかも、しれない…」


まだ確実に、スキだとは言えないけど…。


だけど、気になってることは確かだ。


「そっか。まあ、でもさ。はるは、もっと恋愛したほうがいいからな。止めはしないけど、オレはもっとマジメなヤツと付き合ってほしいんだけどな…。ま、とりあえず。遊ばれないように気を付けろよ?」
「……うん」


遊ばれないように、か…。そうだよね、その可能性だってあるよね。


三十一にもなって、遊ばれて捨てられたなんて恥ずかしすぎるっ。


そうだ、ヘラヘラしてる場合じゃないや。


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