気づけばキミと恋に落ちて
「悪りィ、怒ったのか…?」


いつになく弱々しい拓篤に、胸がキュンとなる。


わたしは立ってるから、自然と拓篤が上目遣いになってるんだ。


オンナの上目遣いはヤバイと、世の男性は言うけど、オトコの上目遣いも相当ヤバイよ。


「……べつに。ご期待に添えるような年じゃなくて、申し訳ないなとは思ってるけど」
「怒ってんじゃん」


怒ってないよ。申し訳なく思ってるだけだもん。


あまりにも、わたしがオバちゃんの年なんだなと思って…。


自分で言って、悲しくなる。もちろん三十一で、オバちゃんだとは全然思ってないけどさっ。


拓篤の反応からするとさ…。


「拓篤は、いくつなの」
「オレ?二十八、だけど」


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