気づけばキミと恋に落ちて
ほら。きっと、自分より下だと思ってたんだよね。


上だと思ってなかったから、わたしの年聞いて驚いたんでしょ。


「やっぱ帰る。さよなら」
「おい、ちょっと待てって」


腕を振り払い、拓篤の傍から離れようとしたのも束の間、すぐにまた拓篤の大きな手に捕まった。


「なぁ…引いた、か?」
「は?」


今度は、わたしの番。引いた、って?


拓篤の〝二十八〟という年に、ってこと?


「オレが年下だったから、引いたか?って聞いてんだよ」


年下…。確かに三つ下だけど、べつに引いたりなんかしないよ。


まあ、同じくらいかな?と思ってたから、驚きはしたけど。


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