気づけばキミと恋に落ちて
「はるちゃん、数字合わないんだって?」


〝ポン〟と頭の上に大きな手がのせられ、見上げれば宗ちゃんが〝大丈夫か?〟と言わんばかりの目を向けてきた。


そして、そのトナリには留里ちゃんがいて。


きっと留里ちゃんが宗ちゃんに話したんだな、とわかった。


「あ、えっと…はい。でも、すぐさまなんとかしますので、宗ちゃんも先に行っててください」


こんなことで宗ちゃんに迷惑はかけられないし、自分でなんとかしなくちゃ。新人でもあるまいしね。


宗ちゃんから目を離し、電卓に手を伸ばした。


と、同時にわたしの愛用の電卓がサッと取られ、トナリに密着するように椅子を横に付けられ、ドカリと大きな身体が、わたしの肩にぶつかった。


「そ、うちゃんっ⁉︎」
「留里ちゃん、悪いけど。みんな連れて先に行っててくれるかぁ?コレ終わらせたら、オレらもすぐに向かうからさ」
「それはイイですけど、はるるんに手出さないでくださいよ?」


わたしが驚いてる横で、更に驚くような会話をオトナ二人が進めていく。


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