気づけばキミと恋に落ちて
笑ったと言っても、バカにしたような笑みで。


「ザンネンだったな。お前とヤって、一度も満たされたことなんてねぇから」


うわぁ…。スゴイ言われようだ…。


わたしなら、撃沈してる…。拓篤の言葉に一度目を大きくさせるも、その目は明らかに怒りに満ちていた。


「そのオンナ……ゼッタイ許さない」


小さな声だったのに、わたしの耳にはしっかり届いて、背中がゾクリと寒気がした。


怖い……そんな感情が襲ってくる。


すると、拓篤が手を伸ばし彼女の頬に手を添えた。


あ……キス、しちゃうのかな…。


ギュ、と痛くなる胸の奥。女性も、さっきまで怒っていたのに、急に恥ずかしがり顔を赤くした。


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