気づけばキミと恋に落ちて
女性がそう言ってから、コトが起こったのは一瞬だった。


「っ、テメ…」


拓篤の首に腕を回し、強引にクチビルを重ねたのだ。


そして拓篤が睨みつけるも、たいして気にもせずカツカツと、その場からいなくなった。


一部始終を見てしまったわたしは、出て行けなくて。


すると、拓篤がその場に、しゃがみ込んだ。


どうしよう……。なんて思っていると、ブブッとわたしのスマホが鳴る。


見れば、拓篤からの着信で、ゆっくり深呼吸をすると、スマホを操作させ耳にあてた。


「もしもし…?」
「陽美…」
「う、うん?」


拓篤の声が今までに聞いたことのないくらい、沈み込んでいた。


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