気づけばキミと恋に落ちて
だって実際、そうだったら悲しいし、イヤだもん。


言わなきゃバレないけど、影で他のオンナを触ってるなんて、例え〝ツン〟だけだったとしても、イヤだ。


「んー、そういうモン?」
「そういうモノです‼︎」
「そっか…」


わかって、くれた…?なんか、テンションガタ落ちしてるけど、さすがに〝ツン〟を許すわけにはいかないのです‼︎


宗ちゃんが諦めてくれたところで、帰る準備をはじめた。


資料を〝トンッ〟と整えて、立ち上がろうとした時。


「はるちゃん」と、声をかけられて、「はい?」と振り向けば。


えぇ、やられましたよ。振り向きざまに、〝ツン〟と…。


わたしの頬っぺたに、宗ちゃんの指が。


キレイに切ってあるツメのおかげで、まったく痛くはなかったけれども。


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