気づけばキミと恋に落ちて
その瞬間、助かった…と思った。


そんな男性スタッフ二人を見たオトコは〝チッ〟と、舌打ちをすると、わたしを床に叩きつけ逃げ出した。


けど、お酒を相当飲んでたからか、足がもつれて、その場に派手に転んだ。


それを見逃すまいと、一人の男性スタッフが駆け寄りオトコを押さえつけた。


「やめろや‼︎離せ、オレは客だぞ‼︎」
「それは、聞くことできません。お客様がしようとしたことは、立派な犯罪ですよ?」
「あぁ?そのオンナだって、同意の上だ‼︎犯罪なんかじゃねぇよ‼︎」
「では、なぜお客様から〝助けて〟と内線がきたのでしょうね」
「………」


最初は暴れてたオトコだったが、男性スタッフの言葉に急に黙り込んだ。


もう一人の男性スタッフは、怖くて震えるわたしの傍にいてくれて、優しい言葉をたくさんかけてくれた。


けれど、ココロは全然落ち着かない。


それなら傍にいてくれても、いてくれなくても一緒だろうと声をかけた。


「……あの」
「はい?」
「わたし、もう大丈夫なので…」
「ホントに、大丈夫ですか?」
「はい…。あの人が目の前にいることのほうが、耐えられないです…」
「あぁ…そうですよね。じゃあ、ちょっと…」


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