気づけばキミと恋に落ちて
冗談じゃない。電車の中の彼になら、すぐに教えていたかもしれないけど、このオトコには、どうしたって教えたくない。
「悪りぃな。全然、聞こえなかったわ。で、名前」
え、なにこれ。わたし言わないと、この手離してもらえないの…?
テキトーに言っちゃう?どうせ会わないんだし。
よし、そうしよう。
「……は、」
「ちゃんとウソ付かないで言えよ?」
「…うぇっ⁉︎」
ば、バレてたっ。なに、わたしが〝はなこ〟って言おうとしたから?それがダメだったの⁉︎
すると、〝チッ〟と舌打ちが聞こえてくる。
いや、どうして怒るのかわからないんだけど…。
「拓篤」
「は、い…?」
「悪りぃな。全然、聞こえなかったわ。で、名前」
え、なにこれ。わたし言わないと、この手離してもらえないの…?
テキトーに言っちゃう?どうせ会わないんだし。
よし、そうしよう。
「……は、」
「ちゃんとウソ付かないで言えよ?」
「…うぇっ⁉︎」
ば、バレてたっ。なに、わたしが〝はなこ〟って言おうとしたから?それがダメだったの⁉︎
すると、〝チッ〟と舌打ちが聞こえてくる。
いや、どうして怒るのかわからないんだけど…。
「拓篤」
「は、い…?」