~続~ 天然無自覚と俺様くんの同居
・第5章 過ごした時間と日々
✾ 空いた距離
周りを見れば暗い。
どんだけ泣いたんだろう。
私はまた信を傷つけた。
サイテーすぎる。
自分の家にも帰りづらい。
だからと言って夏実には迷惑をかけられない。
取り合えず私は学校から出て宛もなく歩き回る。
『俺ら、別れよっか…』
この言葉が頭のなかでぐるぐると巡る。
―――――ドンッ…
「あ、すいません――」
気が付かず誰かにぶつかり私は咄嗟に謝る。
だけど、その人は何処かで見たことがある人だ。
「由季?」
ほら、ね……。
この声は……
「恭………く、ん…」