~続~ 天然無自覚と俺様くんの同居
「とは、言っても…」
休み時間、俺は廊下を歩きながらふと、思う。
由季には最近あってない…。
確かにな…別れを俺から告げたんだから…。
当たり前か――――。
そう言い俺は懐かしい屋上へと足を進める。
ドアを開けると生々しい風が吹く。
そして、見覚えのある姿が俺の視界に入った。
「ゆ、……一条さん…」
名前で呼びたい気持ちを抑えて俺は由季に近づく。
「に、にかいど、うくん」
由季は驚きながら途切れ途切れ俺の名前ではなく名字を呼ぶ。
「久し振りだね…」
俺はできる限り笑って接する。
こんなにも辛いのはあの事件以来だ。