払いすぎた年金
そのに
頭を抱えた僕に、役人は申し訳なさそうに言った。
「遺族年金は、残された方々に『死んでしまうなんて酷い』と、思われている必要があります。
死者を悼む心が、死者の功徳を受給する権利になるのです。」
「僕の死を悲しんでくれた人はいないのか」
「あなたもいけないのですよ」
「な、何が悪いと…」
役人は、背筋を伸ばした。
「あの世は、人と人との関わりでできています。
人に迷惑をかけ続けて生きることが不可能なように、人の為だけに生きることも不自然です。
全てはお互い様なのです。
あなたは、世間のために生きてしまいすぎました」
「遺族年金は、残された方々に『死んでしまうなんて酷い』と、思われている必要があります。
死者を悼む心が、死者の功徳を受給する権利になるのです。」
「僕の死を悲しんでくれた人はいないのか」
「あなたもいけないのですよ」
「な、何が悪いと…」
役人は、背筋を伸ばした。
「あの世は、人と人との関わりでできています。
人に迷惑をかけ続けて生きることが不可能なように、人の為だけに生きることも不自然です。
全てはお互い様なのです。
あなたは、世間のために生きてしまいすぎました」