払いすぎた年金

そのさん

「余った功徳は、どうなるのですか?」

役人は書類を作りながら答えた。

「あなたの魂に貯金されます。
高貴な魂ほど、功徳が多いんですよ」
「へぇ、それなら、善いことじゃ」
「そうですか?」

役人は、頭を掻いた。
「あなた…考えてご覧なさい。
高貴であればあるほど、価値が高いほど、望まれるのです」
「イイことじゃないですか」
「あなたが望む人からだけならね。

価値の高い物は、皆が欲しがる。神も悪魔も」
「あ、悪魔も!?」
「そう、きれいな魂を、金庫に入れて仕舞っておくんです。そしたら、永遠に暗い箱の中」
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