払いすぎた年金
「ふむ、あれは…」
役人は、頭を掻いた。
トトト…と、キーボードを叩く。

「…ああ、これです。

お兄様の功徳は、天国で生活するには不足でした。
しかし、地獄で強制労働するほどの悪行もなくてねぇ…

ほんと、最近こういう半端な方多いんです。

で、あの世で、功徳の多い方が揚げてくれるまで彷徨いますかって、聞いたんです。
でも、お兄様、『地縛霊は嫌だ』と」

僕は聞き入っていた。
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