働き者の彼女は臆病者
充実してるんだけどな
「まだ寝てたい・・・。今日、いきなり会社が学級閉鎖的なことになってないかな・・・。」

毎朝そう思う。
目覚ましも、何個破壊したのかわからない。

メイクはあまりしない。
そんな暇がるなら、一分でも長く寝ていたい。

髪の毛のセットに時間をかける女性は、天才だと思う。
嫌味で言ってるわけじゃない。
尊敬しているのだ。

私だって、オシャレに興味がないわけじゃないけれど、
なんだかメイクとかヘアだとか頑張って着飾るのは苦手。

「よし、行くか。」

さっきまで、ベッドから出るのも億劫だったにも関わらず、
家を一歩出ると気分はたちまち仕事モード。
一気に気持ちが引き締まる。

多恵は、仕事が大好きなバリバリのキャリアウーマン。
周りの同世代からは、
「しっかり者」「姉御肌」「デキる女」として見られる事が多い。
初対面の人にもそう思われる事の方が多い。

その周りのイメージ通りなのか、
もしくはイメージに合わせて自分を作るようになったのかは、
今となって自分でも分からない。
毎日、仕事にやりがいを感じて働いている。
友達もたくさんいる。
残業も苦じゃないし、仕事終わりは友達と飲みに行ったりと、
周りからすれば充実した日々を過ごしてるように見える。
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