鬼上司と私のヒミツの関係
「あぁ、俺も指輪して会社に行くよ。それで朝礼の時に報告だな」
「うん、でも大丈夫かな?」
響ちゃんは部長な訳だし、騒ぎにでもなったら困るよね。
「大丈夫だろ。他部署の幹部連中には一年前に報告済みだし、何とかなるだろ。それより沙耶に悪いムシが寄りつかなくなる方が俺にとっては重要だからな」
ホントに響ちゃんたら……。
コツンと額を合わせ、見つめ合っていると、どちらからともなく唇を合わせる。
徐々に深くなるキスに思考が蕩けそうになる。
唇の隙間から響ちゃんの熱い舌がぬるりと差し入れられ、口内を撫で回す。
「……っ、ん……」
響ちゃんとのキスは愛してるという気持ち伝わってくるようで、心も身体も満たされる。
長い口づけが終わり、響ちゃんに身体を預けて息を整えながら余韻に浸っていたら頭上から声が聞こえた。
「沙耶、酔いが覚めたんなら風呂入ってこい。続きはその後だ」
その言葉にバッと響ちゃんから離れると、自分の濡れた唇を親指で拭い、口角をあげて笑っている。
それを見た瞬間、カァと顔が真っ赤に染まり「響ちゃんのバカ」と叫び、寝室から出てお風呂場に向かった。