鬼上司と私のヒミツの関係
気になる部下とのヒミツ
俺は大学を出て父方のじいさんが社長をやっていた建築会社に就職した。
もちろんコネなんかじゃない。
後々、孫だからってゴチャゴチャ陰口とか言われるのはウザったいし腹立たしいから他の学生と同じように入社試験を受けた。
じいさんは数年前に社長を退き、親父の姉の旦那、俺にとっての“おじさん”が社長に就任した。
おじさんには二人の息子がいたけど建築には全く興味がなかった。
その息子、櫂くんが医者で蛍くんが美容師に。
俺とは年齢が離れていて、二人にはよく可愛がってもらった記憶がある。
今もたまに飲みに行ったりしていて俺の兄貴的存在だ。
じいさんの会社を継ぐのはガキの頃からの夢だった。
ずっと建築には興味があり、幼いながらに何もないところに建物が建つなんて本当に凄いなと思っていたんだ。
小学生の時からヘルメットかぶって工事現場を見学させてもらっていた。
親父が継がないなら俺が……って想いが強かった。
就職してからはガムシャラに仕事をして部長にまで登りつめた。
そんな俺を悩ます存在がいた。