鬼上司と私のヒミツの関係
目尻に溜まった涙を拭ってやり、しっかりと視線を合わせる。
かなり恥ずかしいが、俺の本音を晒け出すんだ。
面と向かって言わないと意味がないだろ。
「無意識にお前のことばかり考えていた。もっと森本のことが知りたいと思うようになった」
この気持ちってなんだと思う?と優しく聞いてみた。
「えっ」
キョトンとした顔になり、何度も瞬きしているのが何とも言えないぐらい可愛い。
この会社を継ぐために努力し仕事をしてきて、まさか部下に恋愛感情を抱くとは思わなかった。
いつの間にか俺の心の隙間に入り込んでいて、どうしても手に入れたい存在になっていた。
涙で潤んだ瞳をじっと見つめーーー
「俺は森本沙耶の事が好きだ」
今まで出したことのない、甘い甘い声で囁いた。