心があれば
タツ君と合流して
私たちが居酒屋に着いたのは
22時少し前だった。
ビールで乾杯するとすぐに
タツ君のお喋りが始まった。
「莉子さん、彼氏とどうなの?」
『どうってなにが?』
「まだ付き合ってんの?」
『うん、付き合ってるよ』
生意気なタツ君は
最近敬語を使わない。
まぁ気にしてないんだけどね。
「はやく別れろよ」
『なんでよ〜』
「俺と付き合って」
『ふふふ、やだ』
タツ君の冗談を笑って流すと
彼はビールをぐいっと飲んで
俺のほう絶対いい男なのになぁ
とつぶやいた。