いろつきのせかい
話を聞くと彩音ちゃんには音や匂いや触った感じやらに色が見えるらしい。
ぼくは色が見えないからわからない。
そうぼくが言うと彩音ちゃんは勿体無いなぁ、と言った後にぼくの声の色を教えてくれた。
「平仮名の『の』って字や、雨が上がったあとの鳥の鳴く声、お母さんにぎゅってしてもらった時や、美味しい桃の匂いや味。そんなたくさんの素敵なものが混ざったみたいな。キラキラしてて本当に素敵なの」
やっぱりどんな色かぼくにはわからなかったけれど、雨が上がったあとの小鳥が鳴く声やお母さんにぎゅってしてもらった時、美味しい桃の匂いや味がどれほど素敵なのかはぼくにもわかって。
生まれて初めて色を見たいと思った。
ぼくは色が見えないからわからない。
そうぼくが言うと彩音ちゃんは勿体無いなぁ、と言った後にぼくの声の色を教えてくれた。
「平仮名の『の』って字や、雨が上がったあとの鳥の鳴く声、お母さんにぎゅってしてもらった時や、美味しい桃の匂いや味。そんなたくさんの素敵なものが混ざったみたいな。キラキラしてて本当に素敵なの」
やっぱりどんな色かぼくにはわからなかったけれど、雨が上がったあとの小鳥が鳴く声やお母さんにぎゅってしてもらった時、美味しい桃の匂いや味がどれほど素敵なのかはぼくにもわかって。
生まれて初めて色を見たいと思った。