朧月夜

“今までありがとう”

私の前から
出ていくのを

ためらってる
あなたにまた

笑いかけてる

馬鹿だね私も

あなたが他のひとを
抱き締めるなんて

想像しただけで

胃がひきつって仕方ないのに

素直にそんな気持ちが
言えないの

“幸せになってね”

泣きたくないから
早く行ってよ

あのひとのところへ

“ごめんな……”

小さく呟いたあなた

“俺自分の気持ちに嘘はつけない”

“うん知ってる”

そんなあなただから
好きだった
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