このよでただ、独りだけ
ヒースコートは昼間は適当な洞穴にいて、夜になると街に出てくる。

そして酒を浴びるように呑み、気まぐれに女を探す。

血が吸いたい気分になるとふらっとそこらの民家に入り、その一家を皆殺しにしてから街を去っていく。

最も人間好きで、最も凶悪な吸血鬼と恐れられる彼の特徴は他の吸血鬼に比べて外見が人間に近いことにあった。

一般的な吸血鬼は肌が青白く、目は赤色、髪は白色というのが常識である。

だがヒースコートは肌こそ血の気が薄いが目は青色、髪は綺麗なブロンドなのだ。

騙されて殺される人間が減らないのにも頷けた。
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