このよでただ、独りだけ
そんなアレクシアの気持ちを知ってか知らずかヒースコートは楽しそうに笑って口を開く。

「じゃあ、可愛い娘と呼ばせてもらおうかな」

アレクシアは言葉に詰まった。その呼び名は嫌といったのに、と子供じみた考えが頭をよぎる。

「ダロンドーと呼んではいただけませんか?」

子供が精一杯大人びた返答をしようと努めている。

それはヒースコートにも伝わったのか彼は肩をすくめた。

「子供が強がるものじゃないよ、アレクシア」

「強がってなんかっー」

とっさに喧嘩腰になってしまった言葉を慌てて止める。

もちろん手遅れで、ヒースコートには全文が予測できてしまったであろうけど。
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