このよでただ、独りだけ
「ごめんね、コゼット。今日は来れないのかと思って」

けして無理をしているわけではなくとも、学校では少し気を張ってしまうアレクシアもコゼットの前では安心して色々なことを話せたのだ。

「えー、何でよ。私、アレクシアとの約束破ったことないじゃない」

アレクシアの言葉に反応してコゼットはそのふっくらした頬を可愛らしく膨らます。

その少し間抜けな顔を見て、アレクシアは微笑みながら答える。

「だって今日はギーが来るって言ってたじゃない」

「そりゃギーが来るから早めに帰ろうとは思ってたけどさ。アレクシアと会わないとは言ってないもん」

ギーはコゼットの従兄弟で、アレクシア達よりも三つ歳上だった。

アレクシアはコゼットのギーに対する幼い恋心に本人よりも早く気が付いていて、お節介に近いような気遣いをしていた。
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