浮気の定義。
「……だっさいあだ名」
「は?」
ポツリと呟いた言葉。
女子生徒はきちんと音を拾ったようで、はっきりと眉根を寄せる。
もういい。
言ってしまえ。
「だから、あだ名がダサ過ぎ。可愛い子ぶってるつもりなんだろうけど、幼稚さまる出しで逆に痛々しいから。るぅくんとか、バカップルかっての。ねえ、流生。あんたいつからこの子の彼氏になったの?」
「な、なによ……っ!」
「私は流生に聞いてるの。少し黙っててくれない?その鼻にかかった声、すっごく耳障りだし」
流生、と促すように名前を呼べば、やつは首を傾げて答える。
「俺の彼女は彩でしょ……?俺、彼氏になるなら彩相手じゃなきゃ嫌だよ。彩以外の女の子は、好きじゃないもん」