浮気の定義。


「……だっさいあだ名」


「は?」



ポツリと呟いた言葉。


女子生徒はきちんと音を拾ったようで、はっきりと眉根を寄せる。



もういい。


言ってしまえ。



「だから、あだ名がダサ過ぎ。可愛い子ぶってるつもりなんだろうけど、幼稚さまる出しで逆に痛々しいから。るぅくんとか、バカップルかっての。ねえ、流生。あんたいつからこの子の彼氏になったの?」


「な、なによ……っ!」


「私は流生に聞いてるの。少し黙っててくれない?その鼻にかかった声、すっごく耳障りだし」



流生、と促すように名前を呼べば、やつは首を傾げて答える。



「俺の彼女は彩でしょ……?俺、彼氏になるなら彩相手じゃなきゃ嫌だよ。彩以外の女の子は、好きじゃないもん」


< 20 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop