暴走族なシンデレラ
「遥は知らないよ」
「だって君の名前遥でしょ?」
「そうだよ」
「じゃあ、きっと僕は遥ちゃんの事知ってるよ」
あの時の俺は目の前の女の子があの『遥ちゃん』だと決まった訳じゃないのに、一度も見た事なかったのに何故か見ただけでこの子が父さんが言ってた「遥ちゃん」だと確信した
「そうなの?!じゃあ、話しても平気だね!」
「うん!」
「じゃあ、お名前教えて!」
「僕は玲二だよ」
「れいじくんかー
じゃあ、お友達になったれいじくんに遥の宝物見せてあげるね!これだよ」
遥はそう言って一冊のシンデレラの本を掲げて嬉しそうにはしゃいだ
俺は子どもながらはしゃいでる遥に見惚れていた。遥が跳ねるたびにふわふわ揺れる白のワンピースにさらさらなブラウンロングの髪に嬉しそうに笑う顔
天使だと思った