ナミダ





姫華におばさん達に言い訳をしてもらうよう言い家を出た



学校は部活動をしていたから騒がしかった
太陽の眩しさに目を細め、意を決意して中に入った



入ってすぐ祖母に引き取られた時から面倒を見てくれている木城が待っていた



職員玄関の方から入り廊下を進んでいった
理事長室に入ると

祖母、校長、教頭、理事長候補の3人、小村、市原、水面。
それに生徒会会長緒方海


がソファに座っていた



「遅くなり申し訳ございません」


そう言い一礼をしてから空いているソファに座る


今は女の姿だ
こちらへ来る前に祖母が
『理事がらみの場合は女性の格好で来るように』



と言われていたからだ



緒方先輩は初めて見る私のその姿に目を見開いて驚いていたけどすぐに何事もなかったようにした


皆が祖母の方を向く

すると一息ついてから



「皆さん、集まっていただいて有難うございます
今日お越しいただいたのは他でもありません


新理事長を改めて発表したいと思ったからです
公の場で言うのもいいですがそういうわけにもいきません


なのでまずここにいらっしゃる方々に発表します」



そう言い私を手招きしたのでそちらへ行ったら祖母は私の手を取り


「理事長の………
羽鳥純…です

私の可愛い孫ですが
頭も切れるし大体の仕事もこなせる
ですから孫だから選ばれたとかではありませんよ」



あくまでおまけとでも言うように1人1人の顔を見て言った




< 16 / 72 >

この作品をシェア

pagetop