親父、ありがとな。
タイムリミット
「んじゃ、行ってくるわー」
そう言っていつものように家を出た。
いつものように自転車に跨って、
いつものように近所のおばちゃんに挨拶して、
いつものように信号に引っかかっていた…
「あー、もう。ここの信号長ぇ…」
そう思ってバッグからケータイをだそうと思ったらいきなり激痛が走った…
「…ッて…」
その痛みは胃ではなく肺だった…
痛みに耐えられず自転車に跨っていたのにも関わらずそのまま倒れてしまった…
「おい!しっかりしろ!」
「誰か!救急車!早く!」
そんな声が飛び交っているのを俺は冷静にあぁ、俺もう死ぬのかな…
なんて考えていた。
何分たったか分からなかったが救急隊の人が来た。
「おい!しっかりしなさい!
わかったら、手を握って!」
そんな声が聞こえているが鉛のように固まった体が言う事を聞かなかった…
そして、腕にチクリと言う痛みを感じそのまま意識を手放した…