Fanfare
「どこのホテル」
5分もあれば着く距離の家に着かない事や家から離れた道路を走っている事に気付いた私は赤信号でバイクが停止している時に徹に聞く。
「ホテルじゃねぇよ。先に行くとこがあんだよ。家帰んのはその後だ。」
バイクでした会話はこれだけ。
15分程夜景に酔いしれたが次第に景色が変わりはじめて気付くと大きな倉庫の前にいた。
「何」
呆気に取られてる私に視線を合わせてきた徹は
「お前ぜってぇサングラス取んなよ。あと誰ともしゃべんじゃねぇぞ。」
とだけ言って私の手を強引に引っ張って倉庫の中に入った。