帰ってきたライオン
昼も回った頃、久しぶりに一人の部屋の中は案外リラックスできるものなんだなと改めて思うも若干の寂しさも残る。
人がいないのはいないでけっこう伸び伸びしていたけれど、こうしていざ一人になってみて気づくことは、けっこうあれだ、いろいろと気を使っていたのかもしれないということで、そんなことに改めて気づかされた。
スティックのミルクティーを飲もうとやかんを火にかけてみて気がついた。
台所、すごく綺麗。松田氏は一回使うごとに汚れてなくても綺麗に拭いて掃除をしているようで、シンクの水垢やその跡も何もない。シルバーに輝いている。
このうちの男二人は掃除が上手だ。
と思うと私もこうしちゃいられないと感じ、溜まっている洗濯物を徹底的に綺麗にしてやろうという意欲が湧いてきた。
よし、こうなったら全部洗いまくってあとは乾かすのにコインランドリーに持っていって乾燥させてふわふわにしようと意気込んだ。
お日様に干すよりもふわふわに仕上がるはずだ。本当はお日様の光が欲しいけど、お昼もとうに回ってしまっている。仕方がない。
腕捲りをしたところでやかんがぴーと音を立てた。
沸いたらしい。
まずはティータイムをして体を暖めてからにしようと思い直し、さっそく捲った袖をいそいそと元に戻した。
ちょっと長めにとったティータイムもそろそろ終わり、その間に洗濯機を四回回した。
予定通り、家の斜め向かいにあるコインランドリーへ持って行き、洋服、下着、シーツ、枕カバー、タオル、ブランケット、パジャマ類をふわっふわに仕上げてやった。
これで今日の夜は高温殺菌してみごとにふわっふわになった布団の中で寝られると思うと今から楽しみになる。
洗濯したばかりの真新しい香りのするシーツとブランケットを体に被るときのあの感触はあの一瞬だけで一日の疲れがぶっ飛ぶというものだ。