~Special Short Story~
「あたしの絵と違い過ぎる!すごい綺麗っ」
「白石の絵はまぁ……」
「あーっ、もう笑わないでよ!」
「ゴメンって。この絵いる?」
「いいの!?もちろんいる!」
俺はその紙を外して白石に渡す。
「やったっ。これ宝物にする!あっ、でも待って。ちょっと付け足してもいい?」
白石は鉛筆を取り出し、スケッチブックを下敷きにして、俺があげた絵に何かを描いていた。
「でーきた!」
白石が描いたもの、それは……蜂。寝転がる白石の隣に1匹の蜂が寄り添っている。そいつから出ているたくさんのハートは、白石へ送られていた。
「なぁ、その蜂って」
「さっきの逆バージョンで雅紀だよっ」
俺の想いが白石に伝わっている。この蜂からも、俺の言葉からも。
「あ!あとね、告白されたの嘘だから」
「は!?」
「ゴメンネ?雅紀の本音を知りたくて、みんなの協力を得て考え出した嘘だから許して!」
付き合ってから1年で、やっと通じた想い。
「雅紀、怒った?」
「怒ったから、今日は俺のチャリで白石ん家まで帰るぞ」
これからはもっと白石のことを大事にして、飽きられねーようにしないとな。
☆。.:*・゜4限目の出来事*END