~Special Short Story~
初めて星村くんをちゃんと見た。
奥二重で左目の目尻には小さなほくろがあった。身長は私よりも高くて、黒色の短髪の髪の毛はワックスで立たせてた。強ばった表情をしていて声は低めだけど、怖くはない。
─────これも、あなた宛です。
ちゃんと話したのは初めてなのに、それに星村くんは高校生なのに……少しだけ、胸がキュンとした。
こういうシチュエーションが初めてだから、ときめいちゃってるだけなんだ。そう自分に言い聞かせながら、大学へと足を進めた。
「間違いじゃなかったんだね?」
「うん。でも今日のは趣味?てか自己紹介の続き?」
「そうみたい」
講義が始まるまでの休み時間、弥生と星村くんのことについて話している。弥生は手紙を見て呆れているけど、私は違う。
ちょっぴり、心が躍っているんだ。
「もしかしたら明日ももらえるんじゃない?」
「そんなまさか」
「明日は何だろ。俺の飼っている犬の名前は~とか?」
弥生の言葉に笑みがこぼれる私。
明日も星村くんと……話せるのかな?