~Special Short Story~



翌日。私は少しだけ右記足でバスの停留所に立っていた。あと少しすれば、いつものバスが来る。


星村くんの姿を見ることが……できる。そう考えるだけで、ドキドキする。こんな気持ち久しぶりだなぁ。


プシュー


バスが停車し、私を含めたバス待ちの乗客がゾロゾロバスに乗り込む。今日はいつもより乗客が多い。


そのまま流されてバスの前の方へ移動し、手すりに掴まる。あっ、星村くん見逃しちゃった。そう思ったと同時にバスは発車した。


今日もこのバスに乗っているのかな?窓に映る見慣れた景色を眺めながら顔が綻ぶ。もちろん、鞄には2通の手紙を入れている。


今日も、何かもらえるのかな?今日は、どんなことを書いてくるんだろう。いろんな考えが頭に浮かんでは消える。


『西津高校前~』


あっという間に高校前。人の波も落ち着き座席が空いていたため、座席に腰を下ろしていた私は、降りていく高校生をチラチラ見る。


ん?星村くん……いたっけ?そんなことを考えている間にバスは動き出した。


今日は別なバスにでも乗ったのかな。そう考えると、少し肩が下がる自分がいることに気づいた。



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