~Special Short Story~
「ふぁ~……」
そしてまた翌日、今日もバスに揺られている私。今週は受けたい講義を詰めて、1コマ目から出席しているおかげですっごく眠たい。
高校の頃は早起きが当たり前だったけど、今は1コマ目の講義のために起きるのがしんどくなってるよ。
まだ時間あるし、ちょっとだけ寝よう。重い瞼をゆっくり閉じて俯いた私は、スリーピングタイムに入った。
「あのっ」
誰かに左肩を揺さぶられてる。もう何よ、今せっかくいい夢見てたのに。ふてくされて目をこすりながら、肩に触れる人物を見た。
「って、えっ!」
「起きてよかったです。もう大学前ですよ」
目の前には、星村くん。やだ、寝顔見られた!じゃなくて、大学前!?私は慌てて立ち上がり、停車してくれていた運転手さんにお礼を言い、定期をかざしてバスを降りた。
「ちょ、速いっすね」
後から星村くんも降りてくる。少しだけ、口元が笑ってる。
「あっ、起こしてくれてありがとうねっ」
「本当ですよ。どこまで乗り過ごす気だったんですか?」
あ、ちょっとバカにされてる?